醸 造
SAKE Making
 
 『 信州の酒米 』
良質の水と太陽、適度な風、正常な空気に育まれた信州の酒米には、全国的に有名な美山錦をはじめ、しらかば錦、たかね錦、金紋錦、ひとごこち に加え、山恵錦も登録され6つに酒造好適米になりました。
当蔵で便用する酒米は2017年産よりすぺて地元である『長野県中野市産』を便用しております。長野県中北東部に位置する中野市は、手曲川と夜間瀬川が流れ、河岸段丘や扇状地から成る地域です。気温の日較差が大きく、降水量が少ない当地で栽塔されるお米は極上の品質を誇ります。

現在「岩清水」では長野県が指定する酒米、美山錦、ひとごこち、山恵錦の3種類を便用しております。

当蔵で便用する酒米はすぺて地元の農家様と直接契約し、弊社のためにお米を「減農薬・減化学肥料」で作っていただいており、栽培方法・土壌を分析し、作付けする水田を選定・指定するなど、各ブランドに最適な酒造米を育成する原点を大切にしています。


 『 信州の水 』
豊かな自然に恵まれた信州の水は生命力溢れる日本酒を生み出します。水は日本酒中の80%を占め、酒を造るにはその20倍の仕込み水が必要です。
信州には広く「日本の屋根」として親しまれる山々が有り、山肌を伝わって流れる水は、長い年月をかけて大地をくぐり抜けて地上に姿を現します。

当蔵では非常に柔らかい水質の超軟水を使用しております。それは、麹の歩合を増して造る当蔵独自の製法に必要不可欠であり、生命力の強い麹を仕込みに使用することにより、ビタミン類や酵素が強く醗酵が過剰にならない様にコントロールするためなのです。


 『 信州の気候 』
信州中野の真冬は1メートルを超える積雪となり、寒い時期には 気温が-10°Cを記録します。そんな極寒の気候風土を利用して一般的な酒造りと同じくかつては厳冬期に酒を仕込んでおりました。
しかしながら2017年大きな設備投資を行い、酒母室・もろみ醗酵タンク・槽場を冬同 様に低温管理できるようになり、より時間をかけて一年中仕込めるようになりました。

低温で仕込むことにより、酵母の醗酵がゆるやかになり、酒も荒々しさがなくなり、新酒の時点で柔らかく美味しい酒になります。

また、当蔵独自の「5割麹」技法にも低温による醸造は欠かせません。


 『 麹造り 』
当蔵独自の「5割麹」技法に最も重要な要素のひとつは「麹造り」です。非常に柔らかい水質の超軟水を使用することで、従来の醸造に寄与していたミネラル分が少なく、麹の力を高めることが必要になります。
また、この麹により、仕込み後も長く麹が働くことで、当蔵の特徴である低アルコールにかかわらず、しっかりと酸が効いた味わいが生まれます。

 『 時間を惜しまない 』
「岩時水」らしい魅カ、面白さを味わっていただくならやはり『生酒』です。
日本酒の生酒は全てのアルコール飲料の中で唯一ブドウ糖が増す魅力あるお酒です。また麹由来の酵素が生きており、日々熟成し味のりします。 日本酒はしぼりたてが美味しいと言われることも多々ありますが、「岩清水」では搾ってからの熟成も楽しんでいただきたいのです。
「生酒」こそが日本酒最大の神秘であり、追及すべきところだと考えています。

そのためには、変化しやすくデリケートな生酒に搾りの工程も含めてストレスを掛けない様に時間を惜しみなく使い醸造しています。また、搾る過程から-5℃以下を保つ様にしています。