個人的に思い入れの強いお酒となります。今は亡き恩師の置き土産でもある「五割麹」、厳しい先生でしたが今になれば感謝しかありません。
駆け出しの頃は酒造りのことに関して右も左も分からず、ただただ必死で思いが空回りしてうまくいかないことだらけでした。「五割麹」を通して沢山勉強させてもらいました。あの頃と今では環境も造り手も変わり今は夫婦二人での「五割麹」です。もし、少しでも飲んで頂いたお客様にプラスの感情を感じて頂くことができたなら私達造り手としてこの上なく幸せです。
2006年にスタートした五割麹製法も今年で18年目。地元畜産「信州牛に合う酒が造りたい。」そんな想いから始まりました。
酒造りの恩師に相談したところ
「山廃でコクのある酒はできるが他の酒蔵がやっているからつまらない。麹割合を増やして濃度の強い酒で肉に合う酒を造りなさい。」
今思えば、酒造りを楽しむことや他と違うことをするチャレンジ精神は、この時に学んだ様に思います。
初年度の五割麹はものの見事に大失敗。酵母菌への栄養供給が過剰になりエキスが殆どない肉には到底合わない薄っぺらい酒に・・・。
今回の五割麹は米もある程度溶けてエキスの濃い肉に合う酒になっていると思います。前回よりも若干ですが乳酸を際立たせ甘味が浮かないように設計しております。
信州牛のすき焼きなどに合わせてお楽しみ頂ければ幸いです。
「18年前と比べたら少しは成長できているでしょうか?」今は亡き恩師に哀悼の意と感謝を込めて。
「Origine」は4種類ありそれぞれの特徴を元にネーミングしました。
『袋吊り』
搾りの際に醪(もろみ)を袋に詰めた状態で吊るし、圧力を掛けずに自重で滴るお酒。優しい口当たりと後味の綺麗さが特徴。
『Souplesse』(スープレス)オリがらみの部分
フランス語で「しなやか・柔らかさ・柔軟性」を意味し、柔らかな口当たり、そして熟成させることで変化も大きいことから命名。
『Harmonie』(アルモニー)クリアな部分 酒販店と蔵(蔵では完売)
フランス語で「調和」を意味し、バランス感が優れている事から命名。
『Corse』(コルセ)
フランス語で「しっかりとしたコクのある」を意味し、ワイン用語としても使われるがそれとは少しニュアンスが違うが4種の中で一番圧力をかけて搾る為しっかりとした味わいで究極の中取り部分。
おススメの飲み方:冷やして白ワイングラスでお召し上がりいただければよりリッチな味わい♪
杜氏としては、60℃弱の燗酒もオススメです!
麹割合 | 5割 |
アルコール分(原酒) | 12% (2024) |
搾り日 | 2024年1月 |
内容量 | 720ml |
おすすめのグラス | ワイングラス |
相性のよかったお料理(参考例) | すき焼き、回鍋肉、角煮、からあげ、鰯、サバの刺身、キャロットラぺ、カルボナーラリゾット、オムレツ(調味料としては「からし」と相性が良いようです) |
ビンテージ | 2024 |
■ 甲信越